2013年9月8日日曜日

津田君のお料理教室 その10

やぁ!

ボクの女房は左ききである。乱雑ではあるが、毎日、弁当を作ってくれる。
で、お昼、(さ〜て、食うか〜。)なんて蓋をあけた時、(ん?)ってなる。
上下左右が、(ん?)なのだ。
だが、わざわざ電話で「おい、どっちが上なんだ?」って聞く人はいない。
どっちでもイイことだからだ。

ものを食いながら女の子のことを考えるのは楽しくなくはない。

が、その日は違った。
(あれっ?)と思ったのだ。(じゃ〜、親子丼に上下左右ってあったっけ?)って。

結論は、いやっ、結論をいそいではいけない。そう思っていた。

昔(むか〜し)、アメリカにジャクソン・ポロックって絵かきがいて、大はやりだった。
「昔は良かった。」な〜んて、屁(ヘ)みたいなことを言うつもりはない。が、そのポロックの絵(?)にだって上下左右はあったはずなのだった。

(親子丼だって、いっしょだろ?)って。

ものごとには、しかるべき姿といったようなものがあるのであって、「どっちでもイイ」などという態度を、ボクは、好まない。

ねっ?

(親子丼にだって上下左右があるのだから、丸いお皿の焼きそばにだって、スパゲティ・ナポリタンにだって、ドライカレーにだって、天津飯にだって、名古屋の「ひつまぶし」にだって、上下左右があるんじゃないか)って。
つまり、それら作品の作者・アーティストの「配置の美学」といったものをこそ尊重すべきではないかって。

ねっ?


が、浅かった。

最後の最後でボクの美しかったはずの仮説は破綻した。

お好み焼き。

お好み焼き。



「津田君?お好み焼きのどこが?」

「・・・。」



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